アクエン・アテン王肖像断片
年代 | : | 新王国 第18王朝 紀元前1350-1300年 |
材質 | : | 珪岩 |
大きさ | : | H. 8.5 cm; W. 8.5 cm; L. 3.0 cm |
アクエン・アテン王とその妻ネフェルティティは、古代エジプトにおいて宗教改革を行い、他の神々を排除して、アテン神もしくは太陽盤を崇拝することを奨励した。しかし彼らの死後、エジプトは従来の宗教に復帰したため、宗教改革は短命に終わった。またエジプトの人々は、支配者の名残を根絶しようと試み、彼らの遺跡の数々を破壊した。このためアマルナ期の彫像で残っているものは大変数が少ない。
この断片(レリーフ)は、長い下あごと突き出したあご先、というアクエン・アテン王の顔の特徴を表している。また、特徴として、鼻から唇の下まで伸びた深いしわがある。この肖像が、非常に硬い石である珪岩に彫られているというのも興味深い。珪岩は、アクエン・アテン王が深く信仰したアテン神にふさわしい太陽を思わせる色をしている。
この遺物はハワード・カーターのコレクションであったものである。
ハワード・カーターは1922年にツタンカーメンの墓を発見した。
彼の王家の谷の発掘を個人で資金援助したパトロンは英国の貴族カ―ナヴォン卿である。