トト神像
年代 | : | 末期王朝からプトレマイオス王朝 紀元前 664-30 年 |
材質 | : | 青銅 |
大きさ | : | H. 38.0 cm; W. 11.0 cm; L. 14.2 cm |
古代エジプト人は、神々をしばしば動物になぞらえた。トト神はトキ(鳥)の頭をした男性としてしばしば描かれた。また、トト神は書記の守護神であった。書記は、ファラオの管理や記録を行い、神官の礼拝の儀式の構成を司った。書記には作家や詩人もいた。この遺物は、大きな台の上に、腰に縞模様の短いスカートだけを纏い、前に足を踏み出している人物像である。こぶしを握っているが、元々は権杖(権力者が持つ杖)と棒を握っていたと思われ、これらの付属品はおそらく別の素材で作られていたと考えられる。
この遺物ではトト神の頭はいくつかの部分を組み合わせてできている王冠で飾られている。真ん中には背の高い垂直の枝細工でできた部分があり、枝細工の先の部分は一番上にある太陽盤まで延びている。この枝細工の部分は両側の側面にダチョウの羽で留めてあり、羊の角がそれを支えている。冠全体の正面に神聖なるコブラである蛇型記章がついている。