高官胸像
年代 | : | 末期王朝 第26王朝 紀元前 664-525 年 |
材質 | : | 片岩 |
大きさ | : | H. 24.5 cm; W. 13.5 cm; L. 9.0 cm |
この胸像は記名されていないが、貴族の高官の彫像の一部である。楕円形の顔に際立った象形文字的な眼があり、絵の具で輪郭を強調して描いている。眼は、彫刻的にデザインされた眉毛の下に位置している。鼻梁は狭く、水平に大きく横に伸びた薄い唇まで続いている。唇の端が窪んでいる。頭部は袋形のカツラを被り、それが額の後ろの方で留めてある。裸の胴体は繊細な作りで、鎖骨が突出しているのが特徴的である。額に対する袋形のカツラの位置と鎖骨が突出していることから、この胸像が第26王朝のものであると推測される。この胸像の特徴は神秘的な微笑、そして男性の胴が三つの部分に分かれている様式であり、この様式が、同時期に古代ギリシャ初期に出現したギリシャ都市国家に影響を与えた可能性がある。
第26王朝はサイト期ともよばれ、復古の時期であり、古い芸術が新しい創造への刺激になったイタリアの文芸復古としばしば比較される。この彫像の繊細な造形と表面の処理はこのトレンドの特徴である。